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578話

千月と龍五は隣の部屋に向かい、床に転がる死体を通り過ぎて奥の部屋へと進んだ。

この二日間、彼らはテロリストたちと行動を共にし、さらにスミスが語った、テロ攻撃に使用予定の弾薬も目にしていた。

バサッ!龍五が大きなスーツケースを開けると、一束また一束と爆薬の包みが姿を現した。

「ここだ、見つけた」龍五の目が輝いた。これほどの量の爆薬が、もし発見され阻止されなかったら、省都のどこかが人間地獄と化していただろう。

「全部しっかり回収して。向こうに持っていくわ」木子晴も別のスーツケースを見つけ、中身は龍五が見つけたものとほぼ同じだった。

ファスナーを閉め、二人は出口へ向かった。龍五は彼女を見て...