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577話

スミスは楽しそうに小さな鼻歌を歌っていた。中国人の女なんて騙しやすいものだ。ほんの少し暗示しただけなのに、本当にデートに誘い出せるなんて。

女というのは生まれつき外国人に弱いのかもしれない。スミスは何もする必要がなかった。ただ外国人の顔をしているというだけで、あのフロントの女を落としたのだから。

エレベーターに乗り、12階へ戻る。これからの計画を仲間と話し合うつもりだった。

「モード!開けろよ、鍵を忘れたんだ」スミスはドアを叩いたが、中からは長い間反応がなかった。「くそっ!モード、開けろ、スミスだ」

カチャリ!ようやくドアが開いたが、誰も出てこなかった。

スミスは不思議に思いながらも、文句を言...