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219話

彼らが県にいた時、羅晋に一喝したことがあった。その小柄な警官は今でも恨みを抱き続けており、今こそ目には目を返せる絶好の機会だった。

羅晋は銃を握りしめ、一瞬躊躇した。正直なところ、こんな人間が派出所の所長をしていることに、国家と政府を代表して一発撃ち抜いてやりたい気持ちだった。

だが、自分がそうするわけにはいかないことも分かっていた。そんなことをすれば、自分も法を犯すことになる。

「羅隊長、あなたはお帰りください。私は大丈夫ですから」

そのとき、ずっと横で黙っていた唐蕭が口を開いた。

羅晋はその声に振り向き、唐蕭を見た。こいつは、こんな状況でも相変わらず何も気にしていないような顔をし...