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41話

「彼じゃないと思うよ。じゃあ、今度は末淰を試してみる?」

心に思いを抱えた厳書意は、オフィスのガラス越しに向かい合っている穆司闻を見つめながら、密告者が誰なのか頭の中で考えをめぐらせても分からなかった。だが直感的に、それは穆司闻ではないと確信していた。

心の中は煩わしさでいっぱいで、もう仕事をする気にもなれず、穆司闻にメッセージを送った。相手の注意がパソコンから携帯へと移り、自分のメッセージを見た後、困惑した表情で自分を見つめるのが見えた。視線が絡み合った瞬間、厳書意は突然心に決意を固め、思いのままに相手を連れ出して早退することにした。

「穆司闻、ちょっとこっちに来てくれ」厳書意は足早に穆司闻...