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62話

謝然は頭を上げて彼を見つめ、しばらくしてようやく気づいた。そもそも投げ捨ててなどいなかったのだ。

謝青寄はわざとやったのだ。

彼は何かを思い出し、砂浜に跪いてあちこち探り回り、ようやく謝青寄が地面に投げ捨てたコインのペンダントを見つけ出した。見たところ、謝青寄のやり方を真似て、同じように彼を苦しめようとしているようだった。

手首を謝青寄にしっかりと掴まれ、二人はほとんど取っ組み合いになりそうだった。謝然は顔色を青くし、本気で力を入れて抵抗していた。今までは彼が譲っていたが、謝青寄は本当にこの兄が自分に対して無力だと思っていたのか?

謝青寄の鉄筋のような両腕が謝然をきつく抱きしめ...