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45話

2013年の夏、謝青寄は人生で三度目の大学入試を迎えていた。

前世と違うのは、学期の終わりに斉明と化学の教師がトイレで密会しているところを発見されるという色恋沙汰が起きなかったことだ。おそらく謝青寄と斉明の関係の変化が、知らず知らずのうちに全ての成り行きに影響を与えていたのだろう。

斉明の存在は、これまで友達のいなかった謝青寄に心を打ち明ける場所を与え、また謝青寄の存在も無意識のうちに相手の荒々しい気性を和らげていた。

謝然は弟の友人になってくれた斉明に非常に感謝し、彼の家出の決断を支持して、斉明の最大のスポンサーとなった。直接ホテルを二週間分予約し、二人分の問題集を何セットも買い、謝青...