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923話

許老倌は密かに何度か女性の元を訪れるうちに、男女の営みにすっかり嵌ってしまったようだった。この歳になって初めて、一人の女性を得ることがどれほど幸せなことかを知ったのだ。

蒋翠英は年を取っていても、顔は白くて赤みがさしていた。許老倌の目には、彼女は西施よりも美しく映っていた。だが許老倌は知らなかった。蒋翠英の白さと赤みは、実は高血圧の症状だったのだ。

「ねえ、あなたもここで食べていきなさいよ!」蒋翠英は許老倌が立ち去ろうとするのを見て、慌てて引き留めた。「あなた一人だし……」

「いや、本当に用事があるんだ……」許老倌がそう言うと、彼の浅黒い背中は道の曲がり角で見えなくなった。

「はぁ、この...