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92話

そして老馬は子供を二階の張姉さんの家に預け、孫晴晴と外出した。

団地内では老馬と孫晴晴は前後に分かれて歩いていたが、団地を出るとすぐに、孫晴晴は親しげに老馬の腕に手を絡めてきた。小刻みな足取りに合わせて、豊かな胸が微かに触れ合い、老馬は本当に幸せな気分になった。

「お義父さん、私を連れ出して、子供まで預けたのは、きっと単純な理由じゃないでしょう。言ってみて、どこに連れていくつもりなの?」

嫁は聡明だった。見透かされて、老馬は老いた顔を赤らめた。「実はね、お父さんは君と恋人同士みたいに映画を観に行きたいと思ってたんだ」

孫晴晴は深窓の寂しさを抱えていた。それは単に肉体的な満足だけでは解決...