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831話

玄関から父の声が聞こえてきた。

「もう起きてるよ、お父さん」

「じゃあ、入ってもいいかな?」

「ちょっと待って、まだ服着てないから」

趙青はそう言うと、ティッシュを取って下の方を拭き始めた。そのとき彼女は気づいた、自分の足が濡れていることに。

夢の中での出来事を思い出し、趙青は思わず両足を閉じた。拭いたばかりの太ももが、また少し湿ってしまう。こんなに敏感になっているなんて。

趙青はこの半年間、外に出て男性と関係を持つことはなく、ずっと家に引きこもっていた。だからこそ、心の空虚さと寂しさはほぼ極限に達していた。

体の細胞一つ一つが満たされることを渇望していて、だからこんなにも敏感になっているのだ...