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78話

馬老の熱い視線に気づき、孫晴晴は胸元の開きがやや露出していることを意識した。馬老に全て見られたことはあるものの、少し恥ずかしさを感じずにはいられなかった。

「お父さん、どうしてそんなにじっと見てるの?」

見つかってしまい、馬老は老いた顔を赤らめたが、嫁は怒っている様子もなく、すぐに「はっはっ」と笑った。「だって嫁さんがあまりにも綺麗だからさ。大軍が羨ましくなってしまうよ」

「お父さん、義理の父親が嫁にそんなこと言うものじゃないでしょ」孫晴晴は口ではそう言いながらも、心の奥底では何故かその熱い視線を密かに楽しんでいた。その視線に心がどきどきして落ち着かない気分になっていた。

駅から家まで...