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564話

「ダムのほうだよ」

「ダム?何のダムだ?」

「発電所の近くにあるダムだよ」

「彼女がなぜそんなところへ?」

「私と彼女、それにもう一人の友人と一緒に仕事の話をしに行って、ついでに少し飲んだんだ」周和は言った。「その後、私は用事があったから先に帰ったんだ」

「私が帰るとき、二人はまだ飲んでいて、あまり飲みすぎないようにって言っておいたよ。君の奥さんに連絡がつかないなら、その友人に電話してみるよ、どうなっているか」

「すまないね」

「後で折り返すよ」

「ああ」

電話を切ると、周和はすぐに林森淼に電話をかけた。

着信音が鳴っている間、周和は部屋から出てきた妻に微笑みかけた。

夫に同じように微笑み返し...