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56話

「なんでもなけりゃ、この老馬はもう帰るよ」老馬はにこにこと言った。

老馬が足を踏み出した途端、張麗麗に呼び止められた。「老馬兄さん、急いで帰らないでよ。あたしが老趙兄さんと相談したいことがあって、村の長老として証人になってほしいんだ」

老馬は老趙頭をちらりと見た。老趙頭の顔には暗雲が立ち込め、何か大変なことが起きそうな様子だった。

そこで老馬はその場に残ったが、話を聞くうちに心の中で怒りが湧き上がってきた。

実は村には幼い頃から婚約を結ぶ風習があり、劉茵の父親が若かった頃、張麗麗の家と仲が良かったため、劉茵と馬小山の婚約を決めていたのだ。

そして今、二人とも十八歳になり、劉茵があんな...