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55話

その時、劉茵が突然目を開いた。

「馬おじさん、あたしを困らせるんだから」

趙雪は馬おじさんに尻を支えられ、体が宙に浮いたまま厠の壁に寄りかかっていた。外では大きな声を出せなかったけれど、今回は思う存分声を出すつもりだった。

もちろん、結果的に馬おじさんは彼女を失望させなかった。まるで永久機関のように、彼女を次から次へと雲の上へ連れて行ってくれた。

「はぁ」目を開けて、厠から聞こえてくる奇妙な音に、劉茵はため息をつき、胸が痛くなった。

理解できなかった。自分は下の方で馬おじさんを助けると言ったのに、馬おじさんは断って、振り向いていとこのお姉さんとあんなことをしている。もしかしたら、いとこのお姉さ...