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544話

口を手で覆いながら、女の子は言った。「私は薛熙熙、熙熙って呼んでいいよ」

「薛熙熙か、なんて特別な名前だね」

「あなたの名前も特別だよ」また口を手で覆い、まだ眠そうな表情の薛熙熙は言った。「ちょっとトイレに行ってくるね、待っていて」

「わかった」

薛熙熙が離れた後、趙青は尋ねた。「彼女は大学の礼儀作法チームの子?」

「そうよ」趙清美は答えた。「高校の時から礼儀作法チームだったから、大学に入ってからも自然とそのまま入ったのよ」

「学校で礼儀係の女の子が必要なイベントがあると、表彰台に上がるのはよく熙熙なのよ」

「言い方が違うわ。表彰するんじゃなくて、メダルを授与する来賓に渡す役よ」...