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379話

夏の夜なら、校庭で涼むのは非常に良い選択だ。

涼みながら甘い言葉を交わし、互いに言葉で美しい未来を紡いでいく……

あの頃、趙青は卒業後、きっと元彼と結婚するものだと思っていた。

だが思いがけないことに、結局は別れてしまった。

かつて元彼の太ももを枕に校庭に寝そべり、彼が自分の襟元に手を忍ばせていたあの光景を思い出すと、趙青の喉が思わず動いた。

「まさかここで会えるとは思わなかったよ!」

向力の声を聞いて、趙青はすぐに振り返った。

警備員の制服を着て、一段と威厳を感じさせる向力を見て、趙青は尋ねた。「あなた、講堂の方を担当しているんじゃないの?」

「講堂担当もいれば、他のエリア担当もいるさ。俺は...