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360話

このリスニングデバイスの使い方については、張揚もかなり理解していた。

要するはアプリに接続するだけで、どこにいてもこちら側の音を聴くことができるというわけだ。

しかも、この種の盗聴器は消費電力が低く、内蔵のリチウム電池で一ヶ月も持つため、張揚にとっては十分だった。

実際、今日パソコンモールに入らなければ、映画でよく見かけるこういった代物が、こんなに簡単に手に入るとは知らなかっただろう。

貼り付け終わると、張揚はオフィスの中央に立った。

そのとき、周偉が入ってきた。

「少し熱いですよ」

そう言いながら、周偉は湯気の立つ緑茶を張揚に手渡した。

香りを嗅ぎながら、張揚は尋ねた。「これは何のお茶?」

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