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350話

「使えるか?」

「使えるとも、間違いなく使える」店主は目を細めて笑いながら言った。「お客さんからの評判は上々でね、友達を連れて買いに来る人も多いんだ。先週は五十個入荷したけど、今じゃ十数個しか残ってないよ。かなり人気なんだ」

「でもね、もし君が設置した小型カメラがバレたとしても、ここで買ったなんて言わないでくれよ。ネットで買ったとも言うなよ。露店で買ったって言っておいてくれ」

「見せてくれ」

「こっちだ」

張揚をレジカウンターの外側に立たせると、店主は内側へ回った。

左の引き出しを開け、外を一瞥してから小型カメラを取り出した。

長さ約十センチ、箸ほどの太さで、先端には親指大のカメラレンズがつい...