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314話

たった一言だけの言葉だったが、韋芸は張揚がどんな思惑を抱いているのか分かっていた。

「ちょっとトイレ行ってくるわ」

夫にそう告げると、トイレの方へ歩き出した。

トイレに入るなり、表情を一変させた韋芸は素早くメッセージを打ち始めた。

「あなたが何をしたいか分かってるけど、絶対にダメよ」

「どうしてダメなんだ?」

「酔わせたからって二人が豚のように酔いつぶれるとは限らないわ。目を開ける可能性だってある。たとえ目を開けなくても、聞こえる可能性だってあるのよ」

「家でも外でも、あなたとするのはいいわ。でも夫の前でするなんて絶対ダメ。もし夫に見つかったら、あなたはもう私で遊べなくなるし、私...