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312話

財務部に十分ほど滞在した後、余嬌は社長室へ向かった。

部屋に入るなり、彼女は手早くドアを内側から施錠した。

余嬌を見た周和は尋ねた。「会社には誰もいないのか?」

「たぶんね」

「その言い方は好きじゃないな」

「何を怖がってるの?小声で話せばいいだけじゃない」

「あの宋飛龍はまさに救世主だったな」

「宋飛龍は関係ないわ。趙青があまりにも恥ずかしがり屋なだけよ」

「まさか彼女が会社でそんなことするとは思わなかったよ」周和は自分を触りながら言った。「あの姿を少し想像するだけで、思わず硬くなってしまう。残念ながら夜の食事には応じてくれなかったけどな。少し酒を飲ませれば、本性を現したかもしれないのに」

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