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306話

「レジに向かい、趙青はスキャン決済で三百七十元を支払うと、黒いビニール袋に入ったアダルトグッズを持って店を出た。

商品自体は箱に入っているとはいえ、趙青はやはり道行く人に中身を知られるのが怖かった。

だからタクシーに乗る時も、わざわざ後部座席に座っていたのだ。

会社に着くと、他の従業員の姿は見当たらなかった。

正直なところ、この会社の業務量はそれほど多くなく、残業することはめったにない。

しかし業務量が少ないということは、会社の利益もそれほど高くないということであり、人員削減や最悪の場合は倒産のリスクさえ抱えていた。

まさにこの状況から、社長は子ブランドを立ち上げ、高級下着路線を進むことで、京...