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1411話

県城に着いたのは、午後五時半頃から六時頃だった。県城は相変わらずの県城、通りも変わらぬ通り、行きも母子二人、帰りも母子二人、まるで何一つ変わっていないかのようだった。

時間を見ると、もう遅く、帰りのバスはもう出ていなかった。趙青はタクシーを拾い、急いで帰路についた。

すぐに街を出ると、タクシーは田舎道をすいすいと走り抜けていく。遠くを見渡せば、道の両側には見渡す限りの山林と田んぼが広がっている。西に傾いた陽の光が向こうの山頂から降り注ぎ、田野は淡い金色に包まれていた。車の窓を下ろすと、涼やかな山風が顔に吹きつけ、稲の初熟の香りと混ざり合って、人を酔わせるほどだ。

遠くから桃江ダムの広々と...