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1143話

三麻子は泥棒のように辺りを見回し、誰も彼らに注目していないことを確認すると、急いで蒋浩に近寄り、声を潜めて言った。

「浩兄貴!タバコは買えなかったんだ。さっき警備室の前を通ったとき、ちょうど警察官が警備員に47棟への行き方を聞いてたんだ!47棟って俺たちが住んでる棟じゃないか?なんか胸騒ぎがして、もしかして俺たちを狙ってるんじゃないかと思って、電話したんだよ!」

「へえ?」蒋浩は眉をひそめた。この麻子がいつからこんなに気が利くようになったんだろうと思いながらも、確かに先ほど警察の一団が彼らの棟に向かうのを見て、自分も少し背筋が寒くなっていた。交番で「お茶を飲む」体験がどれほど不快なものか、...