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1056話

徐という苗字の老人は、彼がここで学んでいた時に知り合った人だった。

「ああ、じゃあ早く行きなさい」老人は特に難題を出すこともなく、門を開けて彼を中に入れてくれた。雨の日だ、誰だって長々と立ち話をしたくはないものだ。

「ご迷惑をおかけします…」張志霖はそう言いながら、バイクに乗り、女子寮へと向かった。

女子寮は上階下階とところどころに灯りがついていて、何人かの女子学生がここに住んでいるようだった。趙青は三階に住んでいると、以前彼女が教えてくれていた。三階には二つの部屋に明かりが灯っていたが、どちらが彼女の部屋なのかは分からない。

この時、雨も止んだようで、張志霖はレインコートを脱いでみる...