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1037話

二人は向かい合って座り、しばらくの間言葉を交わさなかった。ホールは騒がしく、趙青が視線を向けると、入り口で出会ったクラスメイトたちが楽しそうにトランプで「地主」を遊んでいた。

壁際のスピーカーから聞き覚えのあるピアノ曲、「エリーゼのために」が流れてきた。これは彼女も呉雄峰も好きな曲だった。だが今日は、何か違う感慨がこみ上げてくる。これこそが、いわゆる「物は同じでも人は変わる」ということなのだろう。

「何を考えてるの?」彼は彼女の物思いに沈んだ様子を見つめながら尋ねた。

「別に何も……」彼女は微笑んだが、心の中はほろ苦かった。

どれくらい座っていたのだろう、当帰茶を一杯飲み終えると趙青の頬は赤く...