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1002話

「親愛なる人よ、安心して。性病なんて引っかからないわよ。今どきの女の子たちは安全意識が高くてね、ゴムなしじゃさせてくれないのよ!」三麻子がケラケラ笑いながら言うと、パシンという音が聞こえ、どうやら頭を叩かれたらしく、携帯も取り上げられた様子だった。

「麻子の戯言なんか聞かないで。何でもないから、切るわね!」

喜児はもう蒋浩のこんなことで言い争う気も失せていた。馬鹿でも想像できることだ。大の男が、夜の世界で遊び歩いて、浮気をしないなんてあり得ないだろう。喜児は他に何も求めていない。ただ三麻子が言ったように「性病を持ち込まない」こと、それが彼女の最後の望みだった。

目が覚めると、口は渇き、頭はぼ...