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897話

何年も前、華夏で大ヒットした映画があった。『ここに静かな夜明けが』というタイトルで、ロシアの物語だった。

陸寧はずいぶん前にこの映画を観て、原作も読んでいた。

この映画には壮大な戦争シーンはなく、小規模な衝突が描かれているだけだった。

物語の結末は悲しいものだ。魅力的なロシア娘たちが次々とドイツ兵の手にかかって犠牲になり、最後には男が一人だけ残る。しかも片手を失っているのに、奇跡的な力を発揮してドイツ兵四人を捕虜にし、凱旋の道中で楽しげな歌を歌いながら気を失うのだ。

否定できないのは、この映画も小説も名作であり、筋書きも心を掴み、波乱に富んでいることだ。唯一の欠点といえば、人の心を掴むのが上手...