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888話

数千平方メートルに及ぶ海辺の別荘区域。東西北の三方向は、高さ二メートルの鉄柵で囲まれていた。

安全確保のため、鉄柵には電気網が設置されている。私有地への無断侵入者は感電死も当然という徹底ぶりだ。

さらに数十名のボディーガードから成る三つの巡回班が、猛犬を引き連れて二十四時間体制で途切れることなく警備にあたっていた。

別荘の四階屋上にはヘリコプターの発着が可能な場所が設けられ、少なくとも四名のヘリパイロット兼ボディーガードが常駐し、緊急事態が発生した際はいつでも飛び立てる体制が整えられていた。

別荘の南側は見渡す限りの海。別荘を出れば私有のビーチとヤシの木立が広がっている。

海中には電気網などは...