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685話

張老頭は最近、明け方によく不眠に悩まされていた。

真夜中に行くあてもなく、ただベランダに座って金銀花のお茶を淹れ、星空を眺めながら若かった頃の思い出に浸るしかなかった。

「また出て行って物思いにふけるつもり?」

テーブルランプがひねられて明かりが灯ると、妻が目を覚まし、心配そうな顔をしていた。「小軍(息子)の休みの時に、市内の大きな病院へ連れて行ってもらったら?ずっとこんな調子じゃ良くないわよ」

「はぁ、ただ暇で眠れないだけさ。大した病気じゃないから、小軍に迷惑かけることもない。そのうち、できる仕事を見つけるよ。道路清掃でも、緑化作業でもね。何か仕事があ...