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649話

灰に焼かれた綿糸は、まだ元の形を保っていた。

陸寧は軽く息を吹きかけた。灰の糸はわずかに揺れたが、切れることはなかった。

再び少し力を込めて吹きかけると、ようやく糸は真ん中から切れ、テーブルの上に落ちた。

風が陸寧の背後から吹いてきたことがあった。彼が黒い白目の石魚に全神経を集中して観察していた時、それまで静止状態（もちろん絶対的な静止ではないが）にあったライターの炎が、気流の方向変化によって隣の糸に引火したのだ。

風はどこから来たのだろう？

なぜ陸寧が石魚を凝視してあの状態に入らなかった時には、風が起きなかったのか？

幻の中で二匹の魚が回転する時、どうして陸寧の経絡に冷気が生まれ...