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627話

氷山雪蓮。

かつて格林德が自分の主を見たとき、あるいは単に思い浮かべたときにさえ、常にこの言葉が頭に浮かんでいた。

彼は思っていた。この世の億万の女性の中で、花小妖だけがこの言葉にふさわしい存在だと。

天使のような容姿、悪魔のような曲線美、どんな事態にも動じない超然とした佇まい。

特に骨の髄まで漂う誇り高さ、そして言葉では表現できない妖艶さ。まるで天山の雪蓮のように高嶺の花であり、彼女を目にする全ての男たちが思わず跪き、合掌して崇拝し、彼女の命令なら何でも従い、死さえも理由など必要としないほどに。

しかし今、彼が花小妖の背後に立ち、花家の族長と...