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554話

逆さまに埋められた不毛の地に植えられたザクロの木の芽が、やっと地面から顔を出し始めた頃、宋楚詞は朝起きた後の最初の仕事として、木の前にしゃがみ込み、じょうろで水をかけていた。

毎日、水やりは二回。朝一回、そして仕事から帰った午後にもう一回。

ラウラは、陸寧の死後、頼るものを失ってしまった宋楚詞が、このザクロの木を精神的な支えにしているのだろうと感じていた。家では食事や休息以外の大半の時間、木の前に座り込んで、ぼんやりと見つめていることが多かった。

彼女はまた、宋社長がぼんやりしている時、きっと本来なら枯れているはずの花木と精神的な対話を交わしているのだろうと思っていた。

その木は、陸寧...