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508話

九幽王は嘘をついていなかった。小さな銀の鈴は確かに彼女のお守りだったのだ。

彼女が生まれた日から、左の手首にはこれが付けられていた。

これは彼女の主が求めたものであり、さらにある程度の霊性を宿していた。悟りを開いた高僧に開眼された念珠のように、邪気を払うことができるのだ。

異なる霊性を持つお守りは、当然ながらその立場も異なる。

この世界で霊性を持つお守りが、穢れたものに出会うと「警告」し、持ち主を侵害から守るように、暗黒世界から来たお守りは、まさにその逆の働きをする。

それら自体が邪悪なものであるため、人間が避ける邪魔や妖怪を「好み」、逆に人間が崇める「高尚」なものを危険と見なすのだ...