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505話

体に突然このような邪悪な花が現れてから、陸寧はずっとこれが咲き誇る彼岸花だと思っていた。

幾重にも重なる花びらが既に開き切っていて、刺繍靴に咲いている彼岸花とそっくりそのままだった。これが咲いていないというなら、一体何が咲いているというのだろう?

だから、かつて陳婉約から「並蒂花開(双花が共に咲く)」という説明を聞いたとき、心の中でとても不思議に思った。一体どのように並んで咲くことが、花が咲き誇ったと言えるのだろうか?

今、彼はようやく本当の開花とは何かを知った。花芯が見えない花は、開花とは言えない。どれほど花びらが美しく開いていようとも、開花とは呼べないのだ。

彼は花芯を見た。

ほ...