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502話

それはただの箱に過ぎない。

木箱の色が龍椅子と全く同じだったとしても、陸寧と水暗影は以前それを見たことがなく、それが龍椅子の上に真っ直ぐに置かれていたとしても、何が恐ろしいというのだろう?

それで水暗影が地面に転倒するほどのことだったのか?

「どうして転んだんだ、大丈夫か?」

水暗影が地面に倒れているのを見て、陸寧は足首の小さな銀の鈴がなぜ鳴ったのかを調べる余裕もなく、木箱にも目もくれず、急いで彼女のところへ歩み寄り、地面から彼女を助け起こした。

陸寧が動き出すと、足首の小さな鈴は鳴りやむ。

少なくとも、先ほどのように大きく鳴ることはなくなった。

「だ、大丈夫よ、ただ後ろに下がる...