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479話

初めて人を殺した時、どんな感覚だったのか、陸寧はよく覚えている。

タヒコ雪原で、ある漢奸の心臓に銃剣を突き立てた後、彼はその場にひざまずき、散々吐き続けた。

それ以上に強かったのは、彼に人を殺させた花小妖への憎しみと、恩人の教えに背いた罪悪感だった。

今夜、陸寧を殺人に駆り立てる者はいない。彼の「自発的な」行動であり、彼にしかできないことでもあった。

望南山を守備していた某精鋭特殊部隊は、二日前の華夏側の大規模な動きにより撤退させられたが、望南山の最高指揮官も愚か者ではない。慌てた後、急いで一個強化中隊を招集し、防衛線を二十キロ先まで再び拡張した。

北朝のこの適切な対応は、陸寧が望南山に近づ...