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452話

唐王市、夜の八時半。

いつも遊び歩かない夜と同じように、張欣はクローゼットから一枚のバスローブを取り出し、お風呂に入る準備をしていた。

服を取り出した瞬間、棚の上の携帯電話が突然鳴り始めた。

「誰だろう、こんな時間に電話なんて」

張欣はバスローブを腕にかけ、振り返って棚の前まで歩いた。一目見るなり、急いで携帯を手に取り、電話に出る頃には顔に甘い笑みを浮かべていた。「寧兄、どうしてこんな時間に電話してくれたの?まさか、デートのお誘い?」

陸寧の秘密を知ってからは、確かに張欣は彼に対して「敬して遠ざける」態度を取っていた。だが、それは危険を察知した時の本能的な自己防衛反応に過ぎなかった。

実のとこ...