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411話

陳婉約は、長年夢見てきた屍毒の解薬を目にしたにもかかわらず、すぐに服用せず、昆倫のことを持ち出した。その瞬間、陸寧は彼女の考えていることを悟った。

案の定、陳婉約はすぐに彼の目をじっと見つめ、ゆっくりと尋ねた。「それなら、あなたが唯一の解薬を手に入れたとき、どうしてあなたの『兄弟』に飲ませなかったの?それどころか、私に彼女のことを一言も話さなかった」

陸寧は昨晩の出来事を陳婉約に語る際、昆倫のことには一切触れなかった。

ちょうど、唯一の解薬を手に入れたとき、それを陳婉約に渡そうとは思わなかったように。

しかし今、彼は陳婉約にそれを飲ませようとしている。

もしかして、陸寧の心の中で、陳...