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371話

地面でひと転びしたかと思うと、もう動かなくなった雄鶏を見つめて、劉老人はしばらく呆然と立ちすくんでいた後、ゆっくりと顔を上げて門口を見た。

いつの間にか、門口にはグレーのジャージを着た少女が立っていた。

少女は非常に若く、美しかった。清潔な顔立ち、しなやかで初々しい体つき、そして臆病そうな瞳。どれをとっても、彼女が世間知らずな隣家の少女であることを物語っていた。

どんな男でも、この少女を一目見れば、言い表せない好感を抱くだろう。彼女の細い手を取り、そっと囁きたくなる——「僕と帰ろう、一生かけて君を守るから」と。

だが劉老人にはそんな思いは湧かなかった。少女を見た時、もはや濁りのない彼の...