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361話

五時をわずかに過ぎた頃、神通宅配本社の社員たちは、いつものように談笑しながらロビーから出てきた。

しかし、彼らはいつものように互いに手を振って別れを告げ、それぞれの家へと帰ることはなかった。皆が階段の下に立ち止まり、少し不思議そうにロビー入口の西側を見つめていた。

西側の駐車場には長テーブルが一つ設置され、テーブルの両側にはアルミ製のポールが立てられ、一枚の横断幕が掲げられていた。そこには目を引く一行の文字が印刷されていた:「神通宅配広報部賞金授与式」

長テーブルの上には、赤い絹の布で覆われた何かの山が置かれていた。何なのかは分からない。

テーブルの前には十数脚の椅子が並べられ、広報部...