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350話

陸寧が会社に戻った時、あと十分で昼食時間になるところだった。

「寧兄さん、張良華さんから何度も電話があって、彼のオフィスに来てほしいって。最後の電話は五分前に小北が取ったんだけど、すごく怒ってて、電話で机を叩いてたって」

陸寧が広報部に入るなり、張欣が机から立ち上がった。

そう言えば、宋楚詞のオフィスを出た時に張良華とすれ違ったことを思い出した。

張良華は確か、副社長室に来て仕事の報告をするよう言っていたはずだ。そして自分はたしか承諾したはずなのに、突然家に帰ってしまい、気がつけば午前中がすっかり過ぎてしまっていた。

張副社長は今、さぞかり怒っているだろう。

自分が気に入らない人を...