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307話

「助けて、助けて」

陸先生がどうやって秦小氷に自分の服を持ってきてもらうか悩んでいたその時、バスルームのドアがノックされた。

そして、少しだけ開いたドアの隙間から、小さな手が紙袋を持って差し入れられた。

陸寧は壁に沿って歩み寄り、その紙袋を受け取った。

彼が何か言う前に、その小さな手は素早く引っ込められた。

バスルームのドアは再び閉められた。

紙袋の中には、下着から上着まで一式の服が入っていた。見たところ一度も着用されていない新品だった。

この娘の家には、彼女の兄のために用意された服もあるのか?

陸寧が不思議に思っていると、秦小氷の声がドアの外から聞こえてきた。「ふん、運がいい...