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299話

三日月が鉤のように空に浮かんでいた。

午前二時半。

東半球の大半の人々は、すでに甘い夢の世界へと落ちていた。

しかし、嶺南ケイザーホテルの18階にあるホールは、まだ明るく照らされていた。

ここには想像し得るすべての賭博器具が揃っていて、まるで血に飢えた怪物のように、驚くべき速さで賭け客たちの金を飲み込んでいた。

カジノの常連客は必ずしも金持ちとは限らないが、賭け客たちに給仕する女の子たちはほぼ美女揃いだった。統一されたスーツ姿で一見厳格な「包装」に見えても、胸元のボタンを一つ外せば、中が何も着ていないことがわかる。

さらに、十分なチッ...