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283話

西北。

夕方の七時、ちょうど辺りが暗くなり始めた頃、遠い地平線の果てにはまだかすかな赤い裾が見えていた。

荒野、青空、淡い赤色の夕焼け、そしてラクダの隊列——これらすべては本来なら人間界でも稀に見る美景であり、内陸部の雄大さとは異なる魅力で、若者たちに別種のロマンを感じさせるはずだった。

だが、低空で絶え間なく広範囲に轟音を上げて旋回する武装ヘリコプター、数キロにわたって点在する数十台の戦車、そして数え切れないほどの完全武装した軍人たち、さらに常に落ち着きなく吠え続ける軍用犬たちが、本来なら極めて美しかったはずのこの光景を完全に台無しにしていた。

この旅...