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25話

陸寧の手にある弩矢を見た瞬間、商御卿の表情が一変した。もう何も言わず、まるで木偶人形のように肩を抱かれたまま公園を出ていった。

彼女は523大事件の容疑者逮捕の際にも、窓から飛び出し木を伝って滑り降りるほどの勇敢さを見せ、まるで刑事ドラマに出てくる凄腕警官のようだった。だがあの時は彼女は一人ではなかった——仲間が多ければ、普段なら決してできないような勇気が湧いてくるものだ。

しかし今日、彼女は完全に一人だった。

商御卿がどれほど優秀でも、所詮は二十歳そこそこの若い女性に過ぎない。江湖の古参である銀環蛇の目には、彼女はもはや警察官ではなく、せいぜい美味しそうな獲物でしかなかった。

彼女は...