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218話

天地の間に広がる死の静寂、惨白の世界。太陽はもう二度と東から昇ることはないだろう。

秦摘花は、これからも太陽を見る機会はないのだろうと思った。果てしなく広がる惨白の世界、それは雪原だった。足元の積雪は足首を超え、骨身に染みる北東の風が、さらに大量の雪を大地に振りまき続けている。

雪は古来より雨よりも愛されてきた。純潔さと浪漫を象徴し、少女たちに好まれる存在だ。

だが、そんな無邪気な少女たちが、実は雪が雨よりも可愛くないどころか、恐ろしいものだということをどうして想像できようか。まるで世界を飲み込もうとする悪魔のように。

特にタヒコの北西地域では、第二次世...