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1412話

世界で最も不気味な場所と言えば、原始林に他ならない。それは人間の最も原始的な恐怖を引き起こすからだ。自然の衣をまとった表面の下には、無限の危険が潜んでいるのだ。

誰も一人で森に入ろうとはしない。特に富士山麓の青木ヶ原樹海などは。

複雑な地形を持つ青木ヶ原樹海は、黒い火山岩の小道が林内に点在し、長年「自殺の名所」として知られている。その名声は1960年代の松本清張の小説『波の塔』にまで遡る。小説の女主人公が最後に微笑みを浮かべながら林の中へ消えていったのだ。

彼女の死後、この森の名声は広まり、樹海での集団自殺者が増えていった。毎年、大勢の警官が森の中を捜索するが、生きている人ではなく、死体...