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1405話

この砂漠の嵐は十数分間も続いた。

たった十数分と侮るなかれ。この規模の嵐が過ぎ去ると、通り道の砂丘はすべて移動する。砂丘が大きければ大きいほど、風の影響を受ける面積も広くなる。上空から見下ろせば、最も大きな砂丘から先に平らになり、風に吹かれて遠くへ運ばれ、新たな砂丘を形成していく様子が見えるだろう。

幸い、毛驢が身を隠していた勇士車は砂丘の下、風を遮る入り江のような場所にあったため、大きな被害は免れた。だが、嵐が収まった後でも、黄砂は車輪の大半を埋め尽くしていた。

毛驢はくしゃみをしながら口の中の砂を吐き出し、車の下から這い出ると、空に向かって「ワンワン」と大声で吠え、前方の砂丘に向かって...