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1357話

「彼は陸寧の昔からの兄弟だというが、どうして私は聞いたことがないのかしら?」

宋楚詞は張翼をもう一度見てから、そう尋ねた。

彭偉は黙っていた。

陸寧の兄弟や友人で、宋楚詞が会ったことのない人はたくさんいた。彼女はただ唐王に引きこもる小さな井の中の蛙に過ぎず、これまでロブノールと塔希科雪原に行っただけで、日々接する人々もほとんどがビジネス界の人たちだった。どうして陸寧の軍関係の友人や兄弟を知る機会があっただろうか?

「私は何度も陸寧から聞いたことがある。彼にはほんの数人の兄弟しかいないと。一人は崑崙、一人は林舞児、一人は山羊。もう一人は人間ではなく、犬だって」

宋楚詞は冷ややかに言った。「なのに...