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1352話

ロバが「毛驴(マオルー)」と呼ばれるのは、いつ何をすべきかを心得ているからだ。

厳密に言えば、ロバこそが梨花山で一人の下、万人の上に立つナンバー2の存在であり、崑崙も燕影もそう認識していた。

理由は単純だ。ただの口の利けない犬だが、口の利ける多くの人間ができなかったことをやってのけたのだから。

思えば、かつて主人から林舞児を守る重責を与えられた時、どれほど主人に近く寄り添い、どれほど主人の懐に飛び込みたかったとしても、結局は林舞児についてとぼとぼと出かけたのだ(あの時、陸寧が京華のとある広場で水暗影にプロポーズしている頃、林舞児はちょうど両親の病院付き添いをしていた)。

今回もそう、誰...