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1286話

梨花山に定住するようになってから、十二支の面々は初めて本当の意味で人生を謳歌し始めた。

一生働き続けて、ある日突然退職して何もすることがなくなった時に、言いようのない喪失感を抱く年配の労働者のように、十二支の面々も同じような感覚を抱いていた。

もちろん、彼らが完全に無為に過ごしているわけではない。少なくとも陸家の若旦那を手伝って梨花山の開発建設に全力を注いでおり、毎日足の踏み場もないほど忙しく過ごしていた——だが、この忙しさは彼らが慣れ親しんできた忙しさとは全く異なるものだった。

動物園に閉じ込められて毎日観光客との記念撮影に付き合う虎と、山林を縦横無尽に駆け回り腹を満たすことに忙しい虎...